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スマート家の紹介とスケジュール感

亡父の四十九日から物語が始まります

ありふれた典型的サラリーマン家庭が物語の舞台です。スマート家は父、母、息子、娘の4人家族でした。先月、父が亡くなり四十九日を済ませたところです。

【スマート家の家族構成】

亡父(74歳)

大学入学のため上京、商社に就職、東京の郊外に戸建てを購入、定年退職後は年金生活。先月病状が悪化し亡くなったところです。

母(67歳)

短大卒業後、同じ商社に就職、職場結婚後は寿退社。その後は専業主婦となり二人の子供の育児に専念。

息子(40歳)

大卒業後、外資系IT企業へ就職、結婚、子供あり。実家の近所に自宅を構え、頻繁に行き来している。実家の世話は息子の嫁が担ってきた。

娘(38歳)

大学卒業後、大手銀行に就職、共働き、子供あり。現在は名古屋市在住。転勤族のため実家は兄夫婦に任せきりであった。

家族のやり取り

四十九日の後の会食も終わり、実家に戻って一息ついたところです。

無事に四十九日終わったね。こういう時は親戚のありがたみがわかるね。

お母さん、疲れたでしょう。今お茶を入れるわね。

これで一安心。お疲れさまでした。お父さんも喜んでいるわよ、きっと。

ところでお母さん、お父さんの遺産がどれくらいか、調べてくれた?

そうそう、ざっと6,000万円くらい。お父さん真面目だからほとんど使ってないのよ。

思ってたより多い感じ。相続税はかかるのかしら。

四十九日時点の遺産と相続の認識

  • 遺産は自宅、預金、株式など6,000万円です。
  • 父は遺言を残しませんでした。
  • 父が体調崩した後、子どもたちへ贈与、生命保険に加入しました。
  • 母は自宅に住み続けたい意向です。
  • 子供名義の預金が1,700万円ありますが、子供たちは金額までは知りませんでした。
  • 相続税がかかる認識はありません。

☛本サイトの管理人より

本サイトは「スマート家」のような、どこにでもいる普通のサラリーマン家庭に起きた相続にフォーカスしてます。

言い換えると地主、企業オーナー、医者、高額納税サラリーマン、先祖代々の金持ちファミリー層や家族構成が複雑、遺族間の仲が悪い、遺族間の経済的格差がある、といったケースは対象としておりません。

対象を典型的なサラリーマン家庭として、さらに1次相続(配偶者が存命)のケースに絞り込むことで相続税の手続きが格段にシンプルになります。

そしてこのようなケースでは、自分たちで相続税の申告ができる余地があることを物語を通じて伝えていくのが本サイトの目的です。(脚注)

☛専門家の解説

【1】サラリーマンの遺産は捕捉率100%の給与が源泉で自宅と預金が中心です

【2】遺産1億円以下の普通のサラリーマン家庭の1次相続はシンプルです

【3】前半6ヵ月の試行錯誤の期間で自分たちで相続税の申告するか判断してください

相続のスケジュール感

典型的なサラリーマン家庭が自分たちで相続税申告にチャレンジすることを前提としたスケジュールになります。

申告期限10ヵ月を前半の6ヵ月と後半の4ヵ月を区分しました。前半は自分たちで相続税申告できるかどうか試行錯誤する期間です。

仮に前半の試行錯誤の結果、自分たちで相続税申告することをギブアップしたとしても申告期限まで4ヵ月あるのでスムーズに税理士へ依頼できます。

「相続税の申告の要否判定」(3M)を自分たちでできるか?

相続税は申告納税制度を採用しています。このため自ら相続税の申告の要否を判断しなければなりません。

この局面で手詰まりになった場合は税理士へ相談が必要になります。税理士へ相談した場合、申告が不要となった場合でも相応の業務が発生した場合は有償となる場合があります。

「財産目録(正規)」(6M)を自分たちでできるか?

正規の財産目録とは資産を税法ベースで評価した財産目録のことです。

税法ベースの財産目録ができれば自分たちで相続税の申告ができる可能性が高いでしょう。

この局面で手詰まりになった場合は税理士へ依頼が必要になります。それまでに収集した資料が整っているので報酬額の見積に際しては考慮してくれるのでないでしょうか。

「後半4ヵ月」の過ごし方

自分たちで相続税の申告をする場合は参考書籍やネット情報を参考にしながら「遺産分割協議書」と「相続税の申告書」を完成させます。

遺産1億円以下の1次相続では、控除や特例を適用することで相続税額がゼロか少額になりますが、ゼロでも申告書の提出は必要になることは注意してください。

相続税の申告と納付までを10ヵ月以内に完了させる必要があります。

(脚注)この物語で想定する典型的なサラリーマン家庭とは?(シンプルにするため配偶者は存命、いわゆる1次相続を想定してます。)

  • 故人(被相続人)は典型的なサラリーマン
  • 遺族(相続人)は、成人していて、意思疎通ができる
  • 主要な遺産は「自宅」「預金」「上場株式」「生命保険」
  • 遺産総額が概ね1億円以下
  • 自宅は不動産業者が区画整理した戸建て、ないし分譲マンション
  • 故人に大きな債務はなく、まして債務超過でない
  • 家族構成が複雑、遺族間の仲が悪い、遺族間の経済的格差がある、といった争族につながる要素がない
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