結婚子育て一括贈与の非課税特例のポイント解説

結婚子育資金

【1】子供や孫の結婚・出産・子育資金を一度に1,000万円まで援助することができます
【2】金融機関と契約を締結し贈与資金を金融機関へ預けなければなりません
【3】父方母方双方からの資金をバランスよく受けるためのファンドとして利用できます

結婚子育て一括贈与の非課税特例とは

両親や祖父母(贈与者)が子・孫(受贈者)に結婚・子育て資金を一括贈与した場合、子・孫ごとに1,000万円まで贈与税を非課税とする制度です。贈与税の3大特例の一つです。

将来の経済的不安が若年層に結婚・出産を躊躇させる要因になっていることから財産の世代間移転により、子や孫の結婚・出産・子育てを支援するため創設されました。

制度の適用は2023年3月までの時限立法です。この制度の利用者数が少ないため次回の改正時は延長されない可能性があります。

【教育資金一括贈与の非課税特例】
【住宅資金贈与の非課税特例】

結婚子育て一括贈与の非課税特例の適用要件は

1)贈与者
受贈者の両親、祖父母が該当します。

2)受贈者
20歳以上50歳未満かつ前年の合計所得金額が1,000万円(年収およそ1,220万円)を超えないこと

3)非課税枠
受贈者一人当たり最大1,000万円となります。ただし、贈与資金の内、結婚関係は300万円が上限となります。

父方と母方の双方が同一のお孫さんを支援する際は1,000万円も枠を両家で分け合う必要が出てくる点は、教育資金の一括贈与と同様です。

4)金融機関との契約
銀行や信託銀行と「結婚子育て資金管理契約」を締結して、受贈者名義の専用口座を開設します。

5)贈与契約の締結
税務上、贈与契約書の作成は必須ではありませんが、金融機関と上記契約を締結する際に原本の提出を求められます。

贈与資金の充当可能な費用の範囲

1)結婚費用(300万円限度)
・挙式費用、衣装代等の婚礼、結婚披露費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるもの)
・家賃、敷金等の新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもの)

2)妊娠、出産及び育児に要する費用
・不妊治療・妊婦健診に要する費用
・分べん費等・産後ケアに要する費用
・子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)など

【内閣府が作成した対象となる費用の解説】

「結婚子育資金一括贈与の非課税特例」と「暦年贈与」の併用は可能

同特例の上限1,000万円に暦年贈与の非課税枠110万円を加算して合計で1,110万円が非課税枠となります。
非課税枠を超える贈与に対しては暦年贈与の税率(10%~55%)が贈与額に応じて段階的に課税されます。

結婚子育一括贈与の非課税特例を数回に分けて実施することは可能

同特例に贈与の回数制限はありません。1,000万円の上限に達するまで数回に分けて実施することができます。

贈与税の申告は不要です

金融機関と結婚子育資金管理契約することにより、税務署への届け出は金融機関経由で行うことなります。金融機関から提出を求められる書類の中に「結婚子育資金非課税申告書」が含まれています。
このため贈与者や受贈者は税務署に向けて贈与税の申告をする必要はありません。

「結婚子育資金一括贈与の非課税特例」の留意点が3つあります

1)受贈者が50歳に達した段階で口座に残額がある場合
基礎控除であれる110万円を超えている場合は贈与税の対象となります。結婚子育資金として使いきれる金額をある程度正確に計算すると良いでしょう。

2)贈与者が死亡すると残額が相続税の課税対象に
結婚子育資金口座に残額があれば、相続税の課税対象となります。お孫さんに対する残額についても原則通り相続税の2割加算の対象となります。

3)資金の払出に手間と時間がかかります
一旦自己資金で立替て領収書を金融機関へ提出し還付を受ける方法と婚礼費用などの請求書を金融機関へ提出し直接振込でもらう方法があります。

いずれの場合も払出の都度、金融機関のチェックがあり相応な手間と時間がかかります。

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