贈与税の税務調査と贈与税に時効の関係

時効 お金 贈与 相続

1.贈与税の税務調査
贈与税を目的とした単独の税務調査というのは、多くはありません。
税務当局が調査を行うためには、個人間で一定額以上の贈与が成立しているにもかかわらず贈与税の申告が無い、あるいは申告が過小という情報をつかむ必要があります。
ところが日々発生している膨大な個人間の預金移動について、その移動原因が「贈与」なのか、さすがの税務署も知る術がないのです。ただし下記のケースは別です。

1)相続税の調査に入った際に贈与が判明したケース
2)不動産の贈与を受け名義変更したのに贈与税の無申告のケース
3)不動産を購入したのにかかわらず贈与税が無申告のケースなど

贈与税の調査となる典型的なケースは1)です。
2)3)は「税務署からお尋ね」が来るケースです。

1)のケースは、相続税の申告内容を精査していくうち過去の贈与取引がみつかるパターンです。
一般に贈与税の調査は相続税調査に併せて行われます。贈与から相当な年月が経過した後に調査が行われることもあります。その際には、過去に遡り贈与税を納めるか、故人の資産として相続税を納めるか、判断を迫られることになります。

たとえば贈与契約書などの証拠が十分でない場合、贈与が否認され、遡って贈与が無かったことになります。税務署は預金の名義が子供や孫になっていても亡くなった故人の所有とみなし、相続税の課税対象とするのです。これが良く聞く名義預金の問題です。

2)3)のケースは、不動産登記の変更情報が法務局から税務署へ報告されるため、地価や面積などから贈与税が発生する可能性がある人に「お尋ね」を郵送してきます。お尋ねの回答で、資金調達の方法や共有名義の持分と資金負担の割合などに税務署が納得すれば、その時点でお咎め無しとなります。

2.贈与税の時効
贈与税は、申告期限(贈与を受けた年の翌年3月15日)の翌日から6年を経過すると、税務署は課税処分ができなくなります(偽りその他不正の行為があった場合は7年)。一般に「贈与税の時効」と呼ばれますが、正確には「除斥期間」という制度です。
この制度を根拠に、「贈与は8年以上前だから、仮に申告漏れでも贈与税を課税されることはない」との主張が考えられます。
しかし税務署は、そもそも当時贈与が民法上成立していたのか――贈与契約書の有無、受贈者が贈与を認識していたか、通帳や印鑑を誰が管理していたか――という実質面の証拠を求めてきます。贈与は「あげます」「もらいます」という双方の意思の合致で成立する契約(民法549条)だからです。
十分な証拠を示せなければ贈与そのものが否認され、その財産は名義こそ受贈者でも実質は被相続人の財産、いわゆる「名義財産(名義預金)」として相続財産に取り込まれます。この場合、贈与税の時効を論じる前提自体がなくなり、相続税の課税対象となるのです。

除斥期間の経過を意図した無申告は、期間の延長(7年)や重加算税の対象となるおそれがあります。贈与の際は、贈与契約書の作成や受贈者自身による通帳管理など、贈与の事実を客観的に残しておくことが何よりの対策です。

3.名義資産の問題を避ける方法
税務署に対して贈与が成立していることを証明するには、贈与の都度贈与契約書を作成し、贈与を受けた側が使用できる状態にするなど贈与契約が成立している実態を整えておく必要があります。未成年の孫へ預金を贈与するケースなど、どうしても無駄遣いが心配なことがあると思いますが、下記の対応が求められます。
1)銀行口座の届出住所・届出印・筆跡
2)通帳やキャッシュカードの管理
3)預金引き出しの実績など

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4.相続税の調査可能性
一般のサラリーマン家庭であれば実地の相続税の調査対象になる可能性は低いですが、しっかりと名義資産対策をしておくことをお勧めします。
「税務調査は正しく怖がる。サラリーマン家庭は無申告に注意!」

 

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