税務調査は正しく怖がる。サラリーマン家庭は無申告に注意!

相続税の調査・税務署は怖くない

【1】 遺産1億円以下の家庭に「実地の税務調査」が来る確率は低い

【2】 申告数は倍増しても税務署の職員数は横這いの中で「簡易な調査」が増加

【3】1億円以下でも無申告の疑いがある場合は実地の調査の対象となる

相続税の税務調査は5件に1件は本当?

1)相続税の申告数は倍増、でも税務署の職員数は横這い
2015年の相続税の改正で、それまで年間5.6万件前後で推移していた相続税の申告件数が、一挙に13.6万件に増えました。

それに対して国税庁全体の職員は5.6万人前後で横ばいです。


そのため、遺産1億円以下のサラリーマン家庭が相続税の調査対象になる確率はもともと低かったのですが、2015年の改正で一層下がったと推測されます。

特に遺産1億円以下で1次相続の場合、仮に税務調査で指摘を受けたとしても「配偶者控除」と「小規模宅地等の特例」の適用により、追徴税額がゼロか少額なケースが多いため、実地調査の対象としてはペイしないと考えられます。

実は、実地調査のターゲットに満たないケースは電話や書面による「簡易な調査」にシフトしているのです。

2)相続税の税務調査は5件に1件は本当?

相続税関係のウェブサイトや書籍などで「相続税の税務調査は5件に1件」といった見出しを目にすることがあります。

「5件に1件」というのは2015年の相続税法の改正前の比率です。改正後の割合は「10件に1件(9%)」程度になると思われます。

税務調査のターゲット

税務調査の抽出基準は遺産額が大きく、かつ、追徴課税の可能性の高い先を選定します。

調査の結果82%で申告漏れが判明するのはこのためです。

平成29年度の実地調査の件数は12,576件、調査1件当たり遺産漏れは2,801万円、その追徴税額は623万円となっています。

申告漏れ金額と追徴税額の関係から調査のターゲットの遺産平均は数億円と推計できます。

「簡易な調査」を受けた自発的な修正申告

実地の税務調査のターゲットに満たない案件で、たとえば、申告書の計算ミス、転記ミス、軽微な記載漏れなどの場合、電話や書面による「簡易な調査」が行われる場合があります。

簡易な調査では行政指導の一環として自主的なな修正申告を促す、といった対応になります。この場合はペナルティとしての加算税は課されずに差額分に相当する延滞利息だけで済みます。

1億以下のサラリーマン家庭は無申告に注意

無申告の可能性が高いと税務署が見立てた対象者へは、実地調査を積極的に行ってます。
無申告の疑いで調査された案件は、平成28年971件、平成29年1,216件と25%増となってます。

遺産額1億円以下のサラリーマン家庭でも、無申告の疑いがある場合は税務調査を受ける可能性があります。

遺産分割協議が完了してない状態で期限後申告をすると小規模宅地特例や配偶者控除の適用ができず、大きな負担を強いられることになります。

実地の税務調査の対象となりやすいケース

・遺産が数億円以上

・海外資産を適切に計上していない

・名義預金を適切に処理していない

・死亡直前に多額の預金が引き出されているのに現金が計上されていない

・毎年の所得からみて金融資産や財産の申告が少ないか無申告

・生前贈与を適切に処理していない

・争族により相続人が別々に申告書を提出している、など

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